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市川海老蔵の歌舞伎界「働き方」改革から考える、これからの時代の雇用者と労働者の関係性。

近年、大手企業のサービス残業などからはじまるいわゆる「ブラック企業」への風当たりが強くなってきました。

「企業」「個人」の関係性が大きく変動しつつある昨今、雇用者と労働者の関係性も大きく変わっていくと考えられます。そんななか目にした、歌舞伎役者である市川海老蔵さんが歌舞伎界の働き方改革を起こそうとしている、というニュースがありました。

市川海老蔵の歌舞伎界「働き方」改革

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日本の伝統芸能、「歌舞伎」。実は私はまだ一度も見に行ったことがなく、今年こそ見に行きたいと思いちょこちょこ公演をチェックしています。歌舞伎といえば日本固有の演劇として知られており、「歌舞伎役者」というとその存在感はメディアをはじめ非常に大きい。

最近では、八代目市川染五郎さん(元・松本金太郎)が「イケメンすぎる」と急速に知名度を大きく上げていますし、そのあとには海老蔵さんの息子さんの勸玄くん(絶対かっこいいよね)も控えています。今後がたのしみ。笑

さて、そんな歌舞伎界、思い返してみると故・市川團十郎さんや中村勘三郎さんなど若くして亡くなっている方が多い印象ですが、その原因のひとつが「多忙すぎる」ことです

市川團十郎さんが亡くなる前にこの状況を懸念し、松竹芸能に異議申し立てをしていたそうですが、他の役者が同調しなかったためことは進まず1965年に56才で亡くなられました。そこで父に代わり歌舞伎界に「働き方改革」を起こそうとしているのが、市川海老蔵さん。

2017年7月に海老蔵さんが座長を務めた歌舞伎座公演では、昼夜1日ずつ休演日が設けられました。この頃、海老蔵さんの奥様の体調が優れていなかったりなどの原因も考えられますが、これは歌舞伎史上に残るほどの快挙だったそうです。

働き方改革とは、つまり「役者がもう少し休める環境を整える」取り組みであり、そしてそれは、やり方次第では事務所にとって「売り上げを落としかねないこと」とも捉えられる。

歌舞伎の世界は「雇用者」「労働者」という関係性ではないと思いますが、この構図は今後一般企業でも加速していくのではないかと考えています。

雇用者ファーストから労働者ファーストへ

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好景気の時代には「雇用者ファースト」で、雇う側が優勢に立ち、労働者を「選ぶ」ような就職活動が行われていました。しかしこれからは人口減少に伴い労働者が減り、かつ時代の流れからしても「個人(労働者)」が影響力をもっていくので、「雇用者ファースト」から「労働者ファースト」になっていくと予想できます。

この逆転が起きるとどうなるか?というと、今度は労働者が雇用者を「選ぶ」時代に突入していきます。企業側は、これまでとは違い「自分たちはもう選ばれる立場」なのだということに気がつかなければならない。

そうでないと、そこに認識の歪みが生まれて、次第に問題が顕在化していきます。

歌舞伎界にも、おなじようなことが起きてきています。というか、今回の「歌舞伎界の働き方改革」が上記のような雇用者と労働者の関係性の逆転のわかりやすい例だと思っています。

そもそも、市川海老蔵さんは「歌舞伎役者である」ということを差し引いても「影響力のある個人」代表みたいなところあるじゃないですか。バラエティも出るし、ニュースも賑わすし、ブログもすごいし、映画にも出演したりしています。おそらく、昨今の歌舞伎界において市川海老蔵さんの影響力ってとてつもなく大きいと思うんですよね。

そういう人が、「働き方見直そうよ」って言い出すことに意味があるというか。それでようやく事務所側も、検討せざるをえなくなるわけですよね。なぜなら、それで辞められたり関係切られたりしたら、そっちのほうが打撃大きいので。

見直される「働き方」とライフワークバランス。

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日本は戦後から急速に復興し経済成長を遂げた国です。なので、時代の変化のスピードに「国の制度が追いついていない」という印象をいたるところで受けます。

戦後の復興→経済成長→バブル期には、企業などの「組織」が影響力をもつことで、「右向け右」といった具合に、みんなでひとつの目的に向かって目的を成し遂げる「集団行動」の価値観が形成されていきました。

しかし、先進国の仲間入りを果たし経済成長は低迷、人口は減り続ける昨今においては、これまでとおなじような労働環境では、「労働者」との思想のズレがどんどん生じていきます。

労働者は、時代のうねりと共に生きてきた人間なので、「労働環境」や「働き方」にたいする思想や理想をちゃんと持っている。持っていないのは、いまだ時代に追いついていない企業側、つまり雇用者側なんですよね。

でもこれからの時代は、そうはいきません。市川海老蔵さんのように、影響力の大きな個人がたくさん出てきて、組織に改革を起こす流れは強まっていくでしょう。

そして労働者側の働き方や生き方、ライフワークバランスを、「雇用者側が整えてあげなければならない時代」がかならずやってきます。そのような時代背景を考慮すると、いままでのような「企業側が労働者を選ぶ」という古い概念を捨てられない企業から、時代に取り残されていくようになるのではないでしょうか。

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