虫が嫌いすぎる私が逃げるようにデザイナーズマンションに引っ越したのに家に蜘蛛が出て人生に絶望した話。

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もはやなんの意味もなく、ただただ私の率直な思いを綴るブログ記事です。気になった人は読んでいただけると嬉しいです。

生き物は尊重したい。でも…。

今日は私の誕生日。
これまで誰にも打ち明けてこなかった秘密を暴露したいと思う。

私は本当に虫が嫌いである。虫を見ると全身のあらゆる機能が停止して頭が真っ白になり、そこから一歩も動けなくなる。それほどまでの拒否反応を示す。

誤解のないように言っておくけれど、私は虫のことはリスペクトしている。命あるものとして尊重したいし、敬意を示したいし、いいヤツだとも思っている。

頭のなかでは『虫だっていいヤツなんだから』と分かっている。

でももはや論理で自分の説得できる範囲を大幅に越えている。これは反射なのだから。虫を見ると人間としての機能がほぼ全て停止する。

これまで、家に入ってきた虫を何度も生きて外に出してあげようと試みた。だけど、『生きて外界に帰してあげよう』という私の良心とは裏腹に、虫たちは大抵これでもか!というほどに抵抗し、暴れ、時には凶暴化しさえする。

心を通じ合うことができないのなら仕方ない‥。やるか。と思いはするが、目の前にいる命あるものをこの世から抹消するほど心を鬼にすることができない自分がそこにいる。

そんなこんなで、私は『虫』とどのように接したら良いのか分からないまま27歳になった。今日は私が上京してからどのように虫と向き合ってきたのかを簡単に話したいと思う。

虫が大好きだった子供時代。

そもそも、私が生まれ育った家はそんなに高級住宅というわけでもないが、お母さんが極めて綺麗好きだったので家は常にピカピカだった。生まれてこの方、家にゴキブリが出るという経験などしたことがない。

夏になると時たま家に虫が入ってきたが、家族はみな『そのうち出ていくよ』と冷静で、基本的に放置だった。突然我が家に押し入ってきたカメムシが3日間くらい滞在しているなんてことも珍しくはなかった。

折に触れて、どうしようもなくじれったい虫(ハエなど)は食べ物に寄ってくるので、お兄ちゃんが華麗に討伐していた。

そんな家に生まれ育ったわけで、特段『虫』に対して嫌悪感を抱くこともなかった。

更に、昔は昆虫やら虫やらの生物が大好きで、ポケモンで言うところの『虫取り小僧』ばりに虫取り網と虫カゴを持ってしょっちゅう友達と森に繰り出していた。

同年代の女の子達が『いやだ〜!気持ちが悪いィ〜!』と言ってダンゴムシを触ることに抵抗を示す年頃になっても、私はまだひとりでヤゴを川から採取してきては学校のプールで勝手に育てて、勝手に成虫させて、勝手に蝶々にまで育てあげ、彼らが飛び立つ際には勝手にひとりでプールサイドで泣いていた。

それくらい虫が大好きだったのに……

いつからだろう。虫に嫌悪感を抱くようになったのは。

足が4本以上の生き物が生理的に受け付けなくなった。でもそのことに気がついたのは実は結構最近で、なんだかそんな自分が悲しくて誰にも言えなかった。

大人になるってこういうことなんだろうか』と寂しい気持ちになった。

ゴキブリとの出会い。

そんなこんなで私も大人になり上京した。

それなりに綺麗な都心の家に住み、虫など無縁な生活を送っていた。会社員を辞めて起業したての頃、都内のエキチカマンションに引っ越した。建物自体は綺麗で清掃もよく行き届いているマンションだったが、私にはひとつだけ気になる点があった。

隣に密接している一戸建てが、超古い造りなうえに老舗の『かつお節屋さん』だった。いつも家から出るとかつお節の匂いが漂っており、匂いそのものは悪くないのだが、どうも清潔感に欠ける家だった。

そんな建物がピタッ!と私の住むマンションと密接していたものだから、なんかそのうちゴキブリでも出るんじゃないかと一瞬心配はしたが、それでも『5階に住んでいるから大丈夫だろう』とそこまで気にしていなかった。

その家に住み始めて半年が過ぎた。平和で穏やかな日々が続いていた。

しかし事件は起きた。

とある夏の日、旧来の友人が家に遊びに来た。友人がふとこんなことを言った。『さっき1階にゴキブリがいたよ。ひとみんちには5階だし大丈夫だと思うけど、一応殺虫剤かなんか置いておいたら?』

私は耳を疑った。

家に殺虫剤………?

そんなことは私にとって狂気の沙汰ともいえる所行に思えた。

家に殺虫剤を置くということは、イコール『この家にはゴキブリが出るかもしれません宣言』をしているのと同じことであり、それはすなわち『ゴキブリが出るかもしれない家に住んでいます宣言』をしていることになるからだ。

なんちゅうことを言い出すんだこの人は…。そんなことは絶対にあってはいけない。

私は頑なに拒否した。

しかし追い打ちをかけるように、更に信じられないことが起きた。

友達が後日、気を効かせて『ブラックキャップ』と『殺虫剤』を買ってきたのだ!!

嘘だろう…

目眩がした。

でもこれは友達の優しさだ。

『ありがとう(^-^)♡』とゴキブリ対策グッズを丁重に受け取った。

その友人は長年飲食店で働いている料理人だから、やたらとゴキブリに詳しかった。

やはり飲食店のゴミ集積所などはゴキブリがすごいらしい。しかもこの日本という国自体、亜熱帯地方であり人口密度も高いわけだから、『そもそもゴキブリと無縁な生活をしようと考えること自体が浅ましい。』と軽く説教までされた。

そして、いざというときのための対策を色々と教えてくれた。良い友人を持った。

その後しばらくはなにもなく、私のなかでゴキブリ氏の存在が限りなく薄まろうとしている矢先だった。

来るときが来てしまったのだ。

ある夜、家のなかでPCに向かってせっせと作業をしていたら、なにかが視界のなかで動いた。それは、とてもとても小さなゴキブリの赤ちゃんだった。

これが仮にゴキブリじゃなかったらどうなっていただろう?と今でもたまに思い出すことがある。

『赤ちゃんだぁ!可愛い。頑張って歩いてる。よいしょ!よいしょ!』くらいの優しい言葉をかけてあげることができたのだろうか?

しかしそのときの私は『これは100%ゴキブリのBABYだ』と悟り、一瞬にして身体が硬直した。

皆さんもゴキブリの赤ちゃんくらいはお目にかかったことがあると思うのでお分かりになるかと思うが、ゴキブリの赤ちゃんはとても小さい。言ってしまえば米粒程度の大きさだ。

しかも、まだ成長しきれていないので歩みもめちゃくちゃ遅い。敵として認識するにはあまりに雑魚すぎる。実力だけでいったら足元にも及ばない。にも関わらず私は惨敗したのだ。

100歩譲って、黒光りしたアダルトゴキブリが家のなかをファファファーっと歩いていたならまだ分かる。しかし私はそのとき、生まれて間もないキッズゴキブリ、いや、ベビーゴキブリ、いや、ヤングベイビーゴキブリごときに息もできないくらいの恐怖心を覚えてしまった。

そしてそれは私の人生で初めてのゴキブリだったのだ。

き、気持ち悪い。

すぐにググって調べてみると、ヤングベイビーゴキブリが出た時点で間違いなくその場所にはアダルトゴキブリも住んでいるというではないですか!

このときの衝撃を一言で表すなら『絶望』。人生がお先真っ暗に思えた。

同時にいささかの怒りも湧いてきた。

こっちはちゃんと家賃も払って、管理費も払って、確かにマンションは綺麗だしきちんと定期清掃も入っている。努力は認めるけれど、隣接した建物がゴキブリの巣窟だったらもうどうしようもない。そんなことは聞いていない。

そう思いはしたものの、この家を選んで住んでいるのは紛れもない私だ。誰のせいでもない。

新たなる出発。そして虫と無縁の生活へ。

結局のところ、『私はゴキブリと同棲しているかもしれない』ということがどうしようもなく嫌だった。ここからの私は早かった。もっと良い物件に引っ越すことを決意したのだ。

住んでいる街は気に入っていたので、いまの家の近くでもっと良い物件がないか探した。

元々のマンションもエキチカだったが、よりエキチカに、より上階へ、より綺麗なマンションを探した。

翌日の午前中には3軒のマンションの内見を行い、その日中に契約書を交わし、精算も終えた。一刻も早くゴキブリ氏との同棲を解消したかった。

私が最終的に決めた家はデザイナーズマンション最上階築浅という非常に綺麗なマンションだった。お隣も綺麗なマンションだったし、一階は日本刀屋さんという洗練され具合。これならゴキブリは99.9%ないだろうと確信した。

内見に行ったとき、不動産のお兄さんもなにを根拠にか分からないが『この部屋ならゴキブリは出ないですね。』と断言していた。

この出来事を、高級タワマン20階に住んでいる経営者の友人に話したら、『うちもタワマンだし20階だけど、ベランダで一回ゴキブリ見たことあるよ』と言ってきた。もう二度とこの人と話したくないと思った。しかし事実は事実として受け止めることにして、ゴキブリに関して過信はしないことにした。

初めてのデザイナーズマンションに住んでから3ヶ月が過ぎようとしていた。

感想としては、“文句のつけようがない”。

8階ということもあり風通しも良く、マンションも綺麗で、住んでいる人も清楚でハイキャリアな感じの女性が多い。なにより隣の建物がかつお節屋じゃない。最高だ。

道路沿いは桜並木で景色も良く、ベランダ側は真下に公園があり常に子供の楽しそうな声がする。私の心には毎日穏やかな風が吹いていた。

穏やかな日常が壊れたある日。

ここから、この物語のエンディングに差し掛かっていく。ぜひ最後まで読んで欲しい。

これまで書いてきた通り、私はデザイナーズマンションに引っ越してきて幸せな日々を送っていた。仕事もプライベートも楽しく、笑顔に溢れた日々を過ごしていた。

『悩みがないことが悩み』なんてよく言うけれど、まさにそんな状態だった。

世の中に溢れるストーリー展開としては、『幸せはそんなに長くは続かない』のが定説だが、ここでもその定説は往々にして現実であると痛感する出来事が起きる。

最初に言っておくがここでゴキブリが再登場するわけではない。それがオチだったら、さすがに今こうして冷静に事件の全貌を語る余裕もない。なので安心して欲しい。

本題に戻ると、

ある日の朝、いつもごとくPCに向かって執筆作業をしていた。にわかに視界のなかでなにかが動いた。一瞬嫌な予感がしたが、さすがにここでゴキブリはないだろう。と思い冷静な心持ちでその視界の先に目をやった。

すると、なんとBABY蜘蛛が優雅に私の部屋の壁をつたって歩いているではないですか…

これは現実?

いや、足何本?てゆーかまたBABY?BABYまじで勘弁して。

まあでも、蜘蛛なら実家でも何回も見た経験がある。それに蜘蛛氏は基本的に害はない。悪意もない。頭が良いので放っておいてもそのうち外に出ていくだろう。

そう思って、その日は蜘蛛氏を見逃す決意をした。どうせ今の私には蜘蛛氏と闘うスペックはない。

しかしその日の夜、蜘蛛氏による精神的ダメージの大きさを知ることとなる。

今回の蜘蛛氏登場事件簿に関しては、自分なりにかなり冷静に対処した気でいた。『私も成長したな』くらいに思っていた。

が、その日の夜、カブトムシの雌サイズの虫が私の着衣と背中の間にブウン!!って入ってくる夢を見た。『うわああああああーーーーー!!!!!!!!!!!』って叫びながら夜中に汗びっしょりで目覚めた。ほんと悪夢。高いところから落ちる夢のほうが1578万倍マシ。

もうひとつ気になっていたことは、その蜘蛛氏がなんとも気持ち悪い形相をしていたことだ。黒くて、手足が長くて、シュッとしている種類の蜘蛛だったらまだ良い。人間でいうところのイケメン。

しかしHitomi家に突如表れた蜘蛛氏は、モサッとしていて、図体が大きく手足が短い。しかも色はグレー。遠くからでもなんか短めの毛がいっぱい生えているのが分かった。人間でいうところの圧倒的なブサメン。

ごめん。よく『朝の蜘蛛は神様』とか言うけど、私にはどう贔屓目に見てもあんたは神様には思えない。100歩譲って悪いやつじゃないことは認める。でもごめん。人は見た目が100%だから。

心境的にはそんな感じだった。

蜘蛛氏との同棲生活2日目

ブサメン蜘蛛氏を見逃して2日目に突入した。私は仲の良い友達に電話して、蜘蛛氏と同棲を始めたことを伝えた。友達はビックリしていた。そしてアドバイスをくれた。

Hitomiが掃除するときに窓を全開にするからだよ。あれじゃあ虫も入るよ。

確かに。

私は毎日午前中に家のなかを掃除するのだが、そのときに家中の窓を全開にする癖がある。8階のデザイナーズマンションだと思って調子に乗りすぎていた。ブサメン蜘蛛氏は間違いなくこのときに我が家にやってきた。

そしてあれ依頼、蜘蛛氏を見かけていなかった。蜘蛛氏との衝撃的な出会いから24時間が経とうとしていた。

昨日洗濯物を入れたときに外に出ていってくれていたら良いな、という淡い希望を抱いていた。しかし現実はそんなに甘くない。

仕事で外に出ていた私だったが、お昼過ぎ頃に家に帰ってきた。

一通りの業務が片付き、休憩がてらコーヒーを飲みながら読書をしていた。すると、なんだか視線を感じる。人間というのは不思議なもので、このとき明らかに第6感が働いたのが分かった。

私はなんの意図もなくクルッと後ろを振り向いた。

すると、真っ白い壁紙の上に小さなグレーの塊が。
いるじゃないですか…。蜘蛛氏が…………。

相変わらずのブサメン。遠くからでも分かるスタイルの悪さ。

私は最初、今日も見逃そうと思った。いつか出ていくだろうから。でも、どうしても蜘蛛氏と同棲しているという事実に耐えられなかった。

3分くらいその場で心身の機能が停止したものの、今日こそなんとかしようと思い立ち、私は以前の家に住んでいたときに親友が気をきかせて買ってきた殺虫剤を手に取った。

そのときもう『ひとみ。朝の蜘蛛は神様だから、ビックリさせちゃダメよ。』というお母さんの優しい言葉は完全に私のなかから消えていた。私は蜘蛛氏に向かってゴキブリ退治用の強力な殺虫剤を吹きかけた。

蜘蛛氏は悶え苦しんで壁からずり落ちていった。床でバタバタ暴れる蜘蛛氏を見て、とても申し訳ない気持ちになった。しばらくすると動かなくなったので、私は『ふぅ…』と一言を残し、一旦その場を後にした。

殺虫剤を元あった場所へと戻し、蜘蛛氏の亡骸は丁寧に葬ろうかと考えながら蜘蛛氏の元へ戻った。

そこで、信じられない光景を見た。

蜘蛛氏がものすごいスピードで走り去っていったのだ。私はあまりの衝撃でまたもや全身が硬直してしまった。蜘蛛氏はさっき、間違いなく苦しそうに壁から滑り落ち、床で悶え苦しみ、手足を丸めて静止していた。

あれは演技だったの?

騙したの?

どこへ行ったの?

そもそも蜘蛛氏に対して申し訳ない気持ちになった私は一体なんだったの?

とめどない疑問と不安がうずまき、周辺の家具をどかして捜索活動をしたものの、蜘蛛氏の姿は結局どこにもなかった。つまり、私はこの日から蜘蛛氏との同棲生活3日目に突入したということだ。

いや、それならまだ良い。

1番最悪のシナリオが頭のなかを駆け巡った。

最も悲惨なのは、蜘蛛氏が最後のチカラを振り絞って私から逃げたけれど、どっかその辺でチカラ尽きて息絶えているという状況だ。

そうなったらもう、どこにいるかも分からない上に、蜘蛛氏の方から姿を表してくれる訳でもなく、蜘蛛氏の亡骸だけがこの家のどこかにあるということなのだろうか?

そしてその亡骸が一体どこにあるかも分からない。検討もつかない。

存在を忘れかけた頃に、愛用のタンブラーの中とかから蜘蛛師の亡骸が出てきたらどうする?

タンブラーならまだ良い。クローゼットのなかとかならもう最悪だ。服を全部洗っても着られるかどうか分からない。

そんなことを考えていたら、やり場のない気持ちに駆られこの記事を書いている。
もしまたどこかで蜘蛛氏と再会を果たすときがきたら、また更新しようと思う。

追記:

後日、家の掃除中に蜘蛛氏の遺体を発見しました。

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画像の説明

公開日:2017/04/25
最終更新日:2017/05/04

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